癒しのあじさい。
先週東京でアーロンとオリと過ごしたオフクロが、二人のパパから「リョウタロは最近なにしてるの」と訊かれた。
オフクロは「休みになると熊のいる山に入って、熊を探してるのよ(笑)」と話したら、彼はしばらく絶句して「Crazy…」と答えた。 全くその通りだと思う。
だがもうプランは動き始めた。
7月には狩猟免許講習会があり、3ヶ月勉強して11月には本試験がある、予約済みだ。
今 熊と熊痕を見つけられるスキルを独学するのは後で必ず役に立つ。だから一生懸命やっている。
今まで、幾つかリスクのある事をして来た。
だが、ここで過ごす時間ほど恐ろしい経験をした事は無い。これ程の緊迫を全身で感じた事は無い。
この山中一帯には、僕に重傷を負わせられる者、僕を殺せる者達が何とも比べられない美しい自然の中に確実に棲息している。僕が無知で無防備で無知覚でこんな行動をしていたら、いつか間違い無く大変な事になるだろう。 だからそうならないように色々学んでいるが、もし僕が熊に襲われても他人様に「その熊を殺して駆除して下さい」など絶対に言わないし願わない。彼らのエリアに自分から入っているのだから、自分に全責任がある。 万が一そうした事が起こったら地域の方にさらに迷惑が掛かるし、僕が熊を手負いにしても迷惑が掛かる。 だから、自分の警戒センサーを鋭敏にして山に入る。
そうして山から戻って来ると安堵はあるのに、もうあの山の時間が恋しくなっている。特に混雑した新潟市内に入るといたたまれなくなる。
山に咲く紫陽花を見てホッとした後、山の御神体に手を合わせ、今日も無事を感謝し、またここに立てるように祈った。