山の中、1人見上げて。
今日は山中で、長年の念願だったビッグ・フットを至近5mの距離で見ました。
学生時代、アメリカでビッグ・フットが見られているオレゴンの深い森を車で通り過ぎた時に、「ビッグ・フットの森」とビッグ・フットの絵が記された立て看板を見ました。その時、(本当にビッグ・フットがいるのかは分からないけど、この暗く深い森ならビッグ・フットがいても何ら不思議はなさそうだ…)と薄ら恐怖とロマンを覚えたのを記憶しています。でも、バイクスからこんな近い山にもビッグ・フットが生存していたなど思いもしませんでした。そして…あれほど(見たい)と思っていたのに、濃い茶褐色の鈍く輝く毛に覆われた見上げるばかりの巨躯のUMA類人猿に遭遇した恐怖で心臓が停まりそうで、叫び声も喉から絞れませんでした。
ですが当のビッグ・フットは、バイクに跨がって恐怖で固まったままの僕を強い力の目線で一瞥しただけで振り返る事も無く、足場の悪い凄い急な斜面を まるで何も無い平地のように速い速度で両腕を振りながら駆け登って消えてしまいました。
僕がようやく息をして動けるようになったのは、それから5分ほどしてからでした……
とでも話したくなるような、高い杉の森でした。