東京お雑煮。
のっぺ汁に餅が加わったような新潟(下越)のお雑煮もとても美味しいと思うのですが、よく思い返してみたら、(僕はこのお雑煮で育ったのだなぁ)と云う 東京のお雑煮はかなり美味しい事に気付きました。
油浮いた鶏モモ肉のダシが良く出た少し濃い目の醤油ダシ、もちろん小さく切られた鶏肉、焼き餅、三つ葉、柚子、小口切りの少量の大根。
頂いたスタッフのスーちゃんの御家族で打つ生餅はトロリと柔らかく、旨味だけが出た醤油鶏汁の中で自家製餅の美味を感じさせてくれます。越前浜の香り高い柚子も、旨味を吸った松野尾の大根も青葉の香りの三つ葉も…完全な調和を味わいながら、つまりよく言うアレです、『Less Is More』…「最良のものは、加えるものが全て無くなった時にではなく、取り去るものが全て無くなった時に現れる」と云う言葉の意味を、今年初めて食べれた家の雑煮1杯に感じていたのでした。
江戸前の生寿司や、江戸由来の蕎麦、背脂チャッチャ系と対極の支那ソバ、江戸で完成した鰻重等も、構成は簡素ながらも研ぎ澄んだ深味が魅力のこれらのものと同系列だったのだな…と思いました。
あぁ、全部食べたくなって来た…。