DC as JB。
「グレ-のアストン・マーティンを確認!、猛烈なスピードだ!黒のアルファが追い掛けてる!」(イタリア警察の通信。)…。(車好きな)男なら、生涯に一度は所有し、ドライブしたいっ、と思わせるアストン・マーティン(絶対いつか乗りたい!)、アルファ・ロメオ、ベンツ・ゲレンデ・ウ゛ァーゲンの3つ巴の凄まじいカーチェィス(実際の撮影中のスタントで、アストンが舞台の湖に落下したほどの。)で幕を開ける「007 Quantum of Solace」007 慰めの報酬。
噂通りの大傑作でした。既に観ていたオフクロと意見の一致を見ましたが、もうショーン・コネリーのジェームス・ボンドと、ダニエル・クレイグのボンドはどちらの方が良いという比較の話では無く、どちらも完璧、種類の違うもの…だと思います。僕はスタント無しのキリング・ファイトを見せる最強ボンドのDC版が最高です。
前作「カジノ・ロワイヤル」では、イギリス国家、対外諜報機関MI6の「殺しの資格保有エージェント・00(ダブル・オー)」に昇格したばかりのボンドが、自らの危険な世界での仕事への荒れる情熱が彼を活躍に駆り立てますが今作では、前作で死なせてしまった初めて心から愛した女性でありボンドを裏切っていたウ゛ェスパーへの愛と苦悩と復讐が彼の原動力です。正直、泣いてしまいました。
ダニエル・クレイグは絶妙に演じます。自ら全てを捧げ愛し、愛し合ったと信じていた女性に裏切られていて、且つ死なせてしまい、彼女を責め自分を責め、その両者を許せないでいるのです。前作で彼女の名を着けた強いカクテル「ウ゛ェスパー」を何杯飲んでも眠る事の出来ないボンドに、かつての盟友(でもありMI6を裏切っていた。)マティスがその死に際に「もう、、自分を許せ…彼女を許せ…」とボンドに語り掛けるシーンなど(え、これアクション映画…?)と云う程に哀切に満ちています。前作と違い、大袈裟な爆破シーンやアクションもありますが、近年観たアクション映画の最高峰に上げます。DC版007を観た後で、ショーン・コネリー以後のボンド作品、僕は堪えられなくて見れませんでした。
こんなボンド、何度も観てみたい。