bikescafe.jp

(2007-10-4)

松野尾1週

届いたハラコを、塩ぬるま湯に漬ける仕込みから始まる今週です。牡蠣は後で来るでしょう。余りに爽やかな秋の朝、と言っても日中最高気温は25度に達するので暑い感じになります。夏を越え、ようやくテラスが心地良い季節になりました。




(2007-10-4)

憧憬。

サーファーはいつも憧れの存在でした。特に新潟に越して来てからは。日本海側では良い波が立つのは、低気圧の張り出す冬が多いので、真剣にサーフする人達は正に真冬の厳寒の吹雪の日本海にも尻込みする事無く入水して行くから。その上、サーファー達は1年中、定期的にビーチコーミングと呼ばれる海岸清掃を自主的にしています。ミーハースノーボーダー達は平気でタバコの吸殻をリフト下に投げるのに(勿論それを春に回収する素敵なボーダー達もいます。)、サーファー達は黙って、誰にもPRせずに砂浜のゴミを集めています。渓流釣り師にそういう人達を知りません。本当に敬意を感じます。
先日、バイクスマガジンの「エンジン」を読んでいて忘れられない記事がありました。それは、サーフィンを全くした事の無いある中年の記者に、広告デザイン会社のオーナーデザイナーで長年のサーファーの方がこう話すのです。「日常生活の中でね、至らなかった事、忘れ難き事ってあるでしょ。でもね、海に入るとそういう事がみーんな解けて流れて行くんだよ…。」という内容を。(あぁ、いいなぁ…)と思いました。今までもチュースの社長やスタッフの皆サンから「サーフィンやろうよ!」と言って頂いてても、スノーボードと渓流釣りと少しMTBで楽しく1年がサイクルになっていましたし、(これ以上趣味を増やしても、出来ないよなぁ。)というのと、サーフィンの魅力は魔力的なのを知っていたので(もしハマッてしまっても、自分はこれ以上ドロップアウト出来ないぞ…)と少々怖れていました。
先日、チュース真砂店のO店長と雑談していた時(実は昨日も会った)、Oサンが言います。「エッジ君さぁ、今の生活送ってたらもうスノーボードとかMTBは今までみたいに出来ないだろ。君は怪我も出来ないし。そろそろサーフィンしても良い頃なんじゃない。海はいいよ…」と。あの言葉には相当グラッと来ました。本当は今夏、社長やOサンにサーフィン体験させて貰いたかったのですが、原発の水漏れニュースで、(…もう少し経ってからでもいいかな…髪、大切だしな…)とチキン入ってしまったのです。今日、輝く日本海の近くで昼飯食べながら、(年内に一度教わりたいな…)と改めて思う休日でした。その時は西のサーファーの皆様、邪魔にならないよう端で泳ぎますので宜しくお願い致します(汗)。そしてバイクスは明日営業します、宜しくお願い致します(祈)。おやすみなさい(夢)。




(2007-10-3)

一週間ありがとうございました。

およそ僕の世代で、スノーボードが好きになっていた方なら、ピーターラインに強く憧れた事があるんじゃないかと思います。全然今のトップライダー達のようなマッチョなアスリート系では無く、「僕はリスに育てられて、犬と一緒に育ったんだ…」とか「ピーターって名前のせいで、イジメられたから…」等ボソボソ話したり、なんか身体も太っては無いけど丸っぽいし。それなのに一度板の上に乗り、パイプに入れば誰も見た事の無かったコークスクリューをバンバン決めるし、少しの躊躇も無くデカいキッカーやクリフに向かって行って、デカいスピンを決めればデカくクラッシュして血を流す。本当に男気に溢れたライダーでした。もう本当に憧れてて、15年近く前ですが、当時居たディビィジョン23のピーターラインシグネイチャー板を手に入れた冬は嬉しくて嬉しくて、(あ-、僕はピーターラインの板に乗ってるんだ…)と幸せな気持ちで、あの短い板で沢山スイッチライドを練習しました。現代のバートンの最新モデルなどと比べたら、ノーズもテー
ルも金属エッジが無く剥き出しで、粗雑な板だったはずですが、今迄で一番好きな板でした(その板以外は全てバートン)。彼はディビジョン23が無くなった後、いよいよ伝説のチームを築いたフォーラムスノーボードを立ち上げます。
さて、今夜、今冬最新のスノーボードフィルムが届きました。業界最大の製作プロダクション、MDP(マックダウプロダクション)の最新作「PICTURE THIS」です。MDPのフィルムは、スノーボード始めた年から見続けています。映画としては前作「フォローミーアラウンド」の方がデザイン力、多様なパート、コンテンツの豊富さで素晴らしいと思いますが、各ライダーの滑りや撮影技術の高度化はまた上がっていて、思わず「あぁ!危ない!やめてぇ!」と唸ってしまいます。あのレールでの飛びは自殺寸前に感じます。そして、写真のように最後に、もうライダーとしては引退してアディショナルカメラマンになったのかと思っていた、フォーラムチームのヒーロー、JPウォーカーが2シーンだけでもライダーとして出演してるのです。その余りにカッコいい登場の仕方、出演ライダーに名前が乗っていないシークレットだったので思わず「JPカッコいい!」と唸りました。今はバートンに行ってしまったジェレミージョーンズと
JPは共にユタ州ソルトレイクシティの中産階級より上の家庭の人で、フォーラムチーム立ち上げ時に、ピーターラインが直々にユタまで行って若かった彼らをスカウトして今に至る訳です。ピーターラインの系譜なのだ、と勝手に思っています。二人とも今でも本当にカッコ良いです。今週末は「PICTURE THIS」に決まりました。
いやいや、長くなりすぎました!一週間ありがとうございました!おやすみなさい!