bikescafe.jp

(2011-4-2)

ハタ・フィレのソテー、キノコのレモンクリーム・ソース。

通常設定してあるコース以外の、金額や内容を御指定でご予約されるお客様のディナー・コースはバイクスではよくあります。そのお客様グループの皆様の年代が少し高めだと(でも中にお若い方々も混在する場合なので。)、通常のバリエの中から選べば良いのか新しいメニューを取り入れるべきか、実は結構悩みます。
今回、選んだのは軽い食感が持ち味の白身魚ハタのフィレをソテーしたものを、キノコを加えたレモンクリーム・ソース(レモンの酸味の自家製クリームソース)でお食べ頂きます。
前菜も兼ねた魚料理なので、御近所の農家サン(でお客様でもあり。)でお作りしてる巻産のハーブ・サラダを添えてサラダ仕立てにして、特別ディナーをスタートさせる事にしました。次に牛モモの薄切りをミルフィーユにしたロールをパン粉着けてカツレツにしてデミソースを掛けた肉料理が続き、メインの季節のプレミアム・パスタへとコースは進んで行きます(予定)。
その試作をランチ後の賄いを作るのと並行して作ったので、いつものようにスタッフ皆で試食しました。
スタッフが喜べばまずは良しです。スタッフ同様、御予約のお客様も女性グループ様ですから。
料理を春の食材で春らしい見立てに仕上げ、春らしい味わいにする作業。楽しくも難しく、やりがいのあるトライです。
この週末も バイクスを宜しくお願い致します。




(2011-4-1)

Next Winter's Stock.

とっても有り難い事に、もう既に集まり始めた、次の冬の薪。
柿農家サンが毎年ある程度切り倒さないとならない柿の古木を割った物が中心です。この他にも、建築現場で出た角材の端材なども大きな麻袋で届きました。
次の冬が訪れる頃、日本はどのようになっているでしょうか…。




(2011-4-1)

静かな夜に。

学生時代の部活動での合宿で過ごす夜と、避難所生活の夜とは集団生活の苦しさが全く違う。
多分僕は年の割りには闘病での入院生活の回数が多いであろうから、大部屋での夜と云うのは少し経験したとは思うのだけれど、あれはベッドもあるし簡易カーテンの仕切りもあるし、流れるトイレも十分ある。それでも多種多様な病気の患者さん6人から8人が同じ部屋に寝る生活と云うのは、まず熟睡や普通の睡眠と云うものを望む事は完全に不可能になる。常に他人の気配が隣にあり、常に大きな音で咳き込んだり呼吸困難に喘ぐ音が時に耳元で響く。常に誰かがカーテンを開けてトイレに歩いて行く。
見ていた限りでは、入院時では威勢の良い若い子でも1日目から睡眠不足に陥り、目の下に隈を作った2、3日目には導眠剤を必要とする。
僕は比較的「眠る」ほうだったが、それでも何度も突然のすぐ横のお爺ちゃんの大音量の…長く続く…凄い咳で真夜中にビビって飛び起こされた。本当に、起きた瞬間と同時に心臓が止まるかと幾度も思った。

だからなのか…被災者の方々が今や「暮らす」避難所の様子をTVで見る度に胸が痛む。ほんの少し、そうした生活の特に就寝時の苦労を感じるからだ。1000人以上の人達が1部屋の体育館で寝起きする生活など、その苦労の10%も想像出来ない。特に子供達が可哀想だ…と一瞬思ったが、(いや…もしかしたら熟睡しにくい大人の方々の方が辛い夜かも知れない)と思い直す。(自分はあのような生活に耐えられるだろうか…)と、殆んど否定的な答えが分かっている事をいつも考える。同時に、その様な生活に耐え抜いている被災者の皆さんに敬意を催す。
あの類いの睡眠不足は、他者からの見た目よりも静かに深く当事者の精神力と体力を磨り減らす。
どんな避難所でも見る度に、国でも県でも、家族の世帯単位で暮らせる仮設住宅を早く早く作ってもらいたいと思う。ここまで被災者数が多いと、それは非常に至難だと云うのは分かるのだけれども。
静かな夜をベッドで過ごせる恵まれた中、被災者の方々に、静かな夜に眠る夜が戻るのを祈るように願う。