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(2007-4-19)

スモーカーとわ。

修行時代を経て、リストランテヒロのセカンド(料理長の次席)まで努め上げ、満を持してスペインとイタリアの星付きレストランに渡り4年をメインのシェフとしても努めて来た料理長いわく、向こうに行くと本当にどんな店にも日本人の若い料理人または見習いがいて(ただ働きの人すらいるそうです。)、とにかく海外でのキャリアやその店のメニューを身に付けようとしているそうです。そして帰国すれば「向こうにいた…」となり、伯が着くのだそうです。「それでは全く足りない…」と料理長は言いました。東京では向こう帰りのシェフがゴロゴロいて向こうのソノマンマメニューを沢山出して。「向こうにしばらくいれば、それは誰でも出来ます。」、その反対が日本にいて日本固有の食材に向かい合い、その食材に新たな調理法とメニューを与える挑戦。他のシェフとヒロシェフが圧倒的に違うのがその点だと。だから自分はリストランテで実力を着けてから向こうに行きました、そしてまだ勉強中ですと。見た事も無い食材が日々全国から届き、考えも
しなかった調理法をアドバイスされる毎日。アドバイスは本当にヒント程度だそうです、凄い刺激を与えられます…とおっしゃってました。
写真は昨年頂いていたスモーカー。ヒロ先生のメニューに度々登場する秘密兵器。お肉や魚、パスタでも一度出来た料理に蓋なり袋を被せ、その中にこのスモーカーで桜のチップやシガーの香りの煙を充満させお客様のテーブルで開けるなり破るなりする定番メソッドです(そして昨晩叔父家族のテーブルでハーブローストにした作業。)。方法論的には青豆のサプライズスープ(上と下で温度が180度違うスープ)と同じように、演出でもお客様を楽しませるモノ。バイクスみたいに小さな店ですと、一瞬で店内に桜チップの香りやローズマリー等の焼けた香りが広がりました。 先日の夜は豚モモの生ハム1本をやった訳です。あの歓声はクセになる。次は何にトライしようか。有難いプレゼントです。
「次はこんなメニューでやろうよ、テラス使ってさ。6月は予定どう?」、今朝東京からの先生のお電話。ジョイと緊張の交錯する会話。明日は何しよ。




(2007-4-17)

重い空。

三寒四温か、なかなかに暖かで穏やかな春日は訪れません。朝方まで降った雨のお陰か、少しは車にこびりついた砂が落とされました。畑の土がかなり飛んでしまい、農家の方も大変だったようです。いい方法は何か無いかな。




(2007-4-17)

孤独を手懐けろ。

ほとんどの料理人というのは、多かれ少なかれ孤独に仕込みに向き合っている職業に思います。S料理長と話していても痛感しました。東京青山表参道というアジア最高のブランドストリートに位置し、セレブタレントや有名政治家が頻繁に訪れるリストランテヒロの総料理長とて、そのほとんどは奥にある厨房で仕込みに専念し、毎夜深夜に帰宅するという生活。また、それがあるから価値のある何かを産み出せる訳です。
23時、場所は松野尾。暗くなった店内、蛍光灯点く厨房で一人集中してパンナコッタを作る男が一人。明日東京から大切な親戚が来るので、リストランテヒロのパンナコッタを作っていました。正直、先日までパンナコッタを舐めていました。毎日杏仁豆腐やチーKを作っていたから、(パンナコッタ?一番簡単じゃないか。)と思っていたのです。確かに普通のパンナコッタは簡単です。でもヒロ先生オーダーのパンナコッタは、繊細な火入れとホイップを必要とし下手したら固まらないのです。でもそれが生クリームの生たる風味を飛ばさない秘訣でした。今夜のテイストはオレンジ皮とコアントロー。ともかくパンナコッタは終わった、早く買い出しに行きたい。が、まだ。次はパンナコッタにたっぷりかけるアングレーズソースを作らないと。先日はウチのハーブの香りを着けましたが、今日はプレーンに甘いのを。どうしても小さな手鍋に意識を集中して作るこの二つ。上手く出来たと思うのですが…。
明日の評価は、どっちだ。