bikescafe.jp

(2009-10-16)

Broken English.

「私って 世界一男運が悪いのよ」,「私の何かが間違ってるのね」,「それが何なのか…」…、30代後半、どんな恋も上手く行かないノラが失恋の後で自分を哀れむ言葉。そんな失意の中、彼女の街ニューヨークに仕事で訪れていたフランス人で素敵な男性ジュリアンと出会うが、恋するのが恐いノラはジュリアンの好意に素直になり切れない。そんな中、ジュリアンはパリに帰らないといけない日が突然やって来る。その時、ノラは…。 エル、マリクレ、フィガロ…バイクスのマガジンの映画評で監督(ゾーエ・カサウ゛ェテス)、主演女優(パーカー・ポージー)、そして作品そのものが絶賛されていた時から見たかった「ブロークン・イングリッシュ」、ようやく見れました。 いい、ほんとこれいい。本当にリアル。ゾーエ監督の自伝にも近いこの作品。ミニシアター系の作品ですからハリウッド作品のような派手さや洗練さは有りませんし小作品だと思いますが、何しろ主人公が等身大、リアルな存在です。失意の中言った冒頭のセリフなんて、失恋した時、僕も全く同じ事言いました(恥笑)。ゾーエ監督も主演のパーカーも「ノラは私自身。」と言ってたけど、この作品を見るとそれが良く分かります。
30代で独身で恋愛で思い通りになってない(またはそうだった)人なら、皆が(ノラは自分自身だ…)と思うんじゃないかな…と思います。
こういう映画(や歌。)をリアルに感じれる、って素敵な事だな…と最近感じます。
未見の30代の方には、ぜひ見てもらいたいな、と思います。 (これからは、いい事ばかり起きるようになるわ…)って思えますから。 ではまた、この週末も宜しくお願いします。
おやすみなさい!




(2009-10-15)

フェンネルを摘みながら。

入荷の数量が少なく5個しか作れませんが「真鰯とフェンネルのパスタ」の為に、裏庭に自生のフェンネルの葉を摘みに出る秋晴れの朝です。
こないだオフクロが「沢山あってジャマだから」と、バッサリ切り倒してしまったのが悔やまれる。
オープンまでにパンを焼き、杏仁豆腐を作り、鰯を捌く。
ウーン、美味しそうなのが色々出来そうだ。




(2009-10-15)

She Will.

朝陽を浴びた大根畑は、1日の中で最も美しい。 今日の朝、僕らと別れの抱擁をし東京に帰って行った彼女は2週間後、イスラエルに飛び立つ。エルサレムにて2週間、世界のダンス界では著名なイスラエルのコレオグラファー(振り付け家)のダンス作品に出演する為に。 東京には帰らずにそこからヨーロッパに渡る。目的地はストックホルム、スウェーデン。スウェーデンを拠点に活躍されているという有名なコレオグラファーの御友人の催す試験的なダンス・ワークショップに年末まで参加する。年内はスウェーデンの小都市を巡り作品披露。照準は来年後半、ストックホルムや大都市を数ヵ月に渡り巡るそう。御正月を都内の…僕の住んでた街の隣の街の…御実家で過ごし、早々にまたヨーロッパへ飛ぶ。来年、彼女が最も楽しみにしているプロジェクト参加の為に。
「イタリア、ベネツィア・ビエンナーレ」。現代アートの国際展覧博、2010年版。1月から5月まで約4ヶ月、世界の有名コレオグラファー10人が約2週間ずつ、ヨーロッパやアメリカの各地からオーディションされた若きダンサー達を演出し、10人のコレオグラファーごとにそれぞれ違うダンス作品をベネツィアに集まる世界の観光客に披露する非常にタフな4ヶ月を過ごす為だ。その期間、ホテルなどでは暮らさずにベネツィアにアパートメントを借ります、公用語は英語なので何とか…とおっしゃっていた。24歳の、日本人の小柄な女の子が、だが、並みの男じゃ歯も立たないような、精神も肉体もタフでクレバーな女の子が。僕は彼女が大好きだ。会う度にどれだけ多くの面にインスパイアを受ける事か。
話が逸れた。それから6月を迎え、またストックホルムへ。いよいよ先述のスウェーデン公演が始まる。その頃、彼女がどれだけ強力に成長しているのかうっすら想像したただけで昨夜は軽い震えを覚えた。2ヶ月の北欧滞在が終わったら、ついに日本へ。それからだ。
予定では文化庁のアーティスト後援で…いよいよ、彼女の夢、ニューヨークへ、ブロードウェイへ。
夢の地では、貪欲なダンサーが無限に成長出来るスクール、ステージ、メソッド、ワークショップ、オーディション、オーディエンスが待っているらしい。ニューヨーク…2Years。 僕は彼女に頼んでみた。
「ねぇ、あなたがニューヨークにいる間に僕、訪ねていって良い? 一生に一度、ニューヨークでカフェやレストランに行ってみたいんだ。、本物のバイシクル・メッセンジャーも見たいんだ。」。
彼女はしばらく目をつぶって話さなかったので、僕は(ありゃ…イヤだったかな…)と少々心配になったのだが、次の瞬間彼女は優しい笑顔と共に「絶対、来て下さいネ。ニューヨークで会えたらどれだけ嬉しい事か。」と言ってくれたので安堵した。
ウィリアム・フォーサイス、マシュー・ボーン、アダム・クーパー、シルウ゛ィ・ギエム、パリ・オペラ座、エトワール、プリンシパル…。エルやマリクレ、フィガロを読み続けているお陰か、ほんのほんのチョッとならバレエやダンスに関連する名前や言葉、インタビューを知る事は出来たけど、本来僕にはダンスやブロードウェイ等はジャンル外。だけど今はニューヨークなら、映画「幸せのレシピ」にて主人公達が働く舞台「レストラン・ブレッカー22」のロケ・レストランになっていた「リトル・オウル」に行ってみたい。 彼女を新潟の御住まいの近くまで送った。昨夜21時30分から会って、今朝は6時30分まで一緒だった。共通の友人のAチャンと彼女が抱き合って泣いている。僕は強く握手だ。今回新潟を去ってからは、今までのように会う事は出来ないだろうから…。でもこの9時間、僕ら3人は難しい話よりも恋バナで泣きみたり笑いっぱなしだったのだ。        中野綾子さん、24。新潟市が世界に誇る、日本唯一の自治体経営のプロフェッショナル・ダンス・カンパニー、Noism(只今、台湾公演中!。)の前プリンシパル。モダン・ダンスとバレエを自在に往き来し、全く妥協の余地無く自分を成長させる女性、東京出身。若きMYヒーロー。「リョウさん、リョウさん、」と慕ってくれた大切な友達。 彼女の前に本物の「世界」が広がっている。彼女が自分で勝ち取った道だ。彼女にほんの少しでも引け目無いように、オレもがんばりたいな、と感じた…多分。。 AM7時に帰宅完了。朝の大根畑沿いを一人歩く。あぁぁ、眠い…。あと2時間半後には店内の小さな工事に人が来る。ちょっと寝たいなぁ…。 あぁ!もう「泣き」入ってるぅ!