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(2014-7-24)
水曜日に遭う動物は「猿」ばかり約90頭で、(これじゃ『熊追い』じゃなくて『猿追い』だな…)と嘆きながら、山を下りながら新たに熊痕を探していた。 すると地表に変わった形の1本のキノコがニョキと生えている。よく見ると本当に変わっている。 「ななな…!これはまるで白いキノコぢゃないか!?」と驚いた。 視線の角度による目の錯覚かとも思い、上下裏表先端根本と触って確かめたが、サイズといい触感といい、ホンにキノコそっくりだった。大久保さん呼ぶか…ロンハー出演中か。僕は茸類に疎いので、これが何という種類か分からないのだが、あの猿達も食べていないので、食える代物じゃないのかも知れない。 でも何となく有り難い物を見た気がして、キノコ様に軽く手を合わせてから山道をまた下り始めて、今日のフィールド調査を終えた。
この日 僕は3つの猿の群れに遭った。どれも子猿のいる20〜30頭ほどの群れだった。どれも良くキノコをかじっていた。 最後の1つの群れの登山道の渡りを見てから、近くに進んだ。シンガリの大きな雄猿が僕を睨む。そいつに怯まず目を合わせながら、あるしたかった実験を思い出した。 まず多分のボス猿のそいつに、日本語で「オラーッ」「コラーッ」「あっち行けぇ!」等と怒鳴る。やはりまだ強い目で僕を見続けている。ここまでは予測していた通りだ。次に、両手を口の周りに置いて 「オオオーー、ワオオー!」「ウーッ、ガウガウガウー!」と狼のつもりで群れに向かい吼えた。すると、群れ全体が動き始め、僕から遠ざかる。山裾まで去って行く。今まで睨んでいたボス猿も目を反らし、樹から降りて薮の中を群れを追い掛けて遠ざかった。 やはり考えていた通りだ。 猿は人間の声はビビらないが、以前存在していた天敵 狼(又は犬)の声や存在の可能性は嫌がる。 若い頃アメリカで、狼犬の子犬を飼う友人と、その子狼犬を輪の真ん中にして友人達で一斉に狼の遠吠えを真似た事がある。すると最初はキョトンと見上げていた子狼犬だが、間も無く狼のように「オオオオーン!」と一緒に遠吠えを始めた。北米の狼研究者や動物カメラマンは、森の何処かにいる狼の存在を確かめるのに狼の遠吠えを真似ると、遠くから本物の森林狼が反応を吠える、と云う場面を何度も見た。 この実験の目的は、万が一山中で遭難し、近くに獣が集まり始めた時に武器になるものが何も無い時、獣を遠ざけるものがあるか無いかを知る事だ。熊も狼と犬を嫌がる。 遠吠えはやはり有効だと確信した一件だった。
山の中腹より上に来た。進路約10m先の左側の森の中、1本の樹だけが勢いよく「バサーッ、バサーッ、バサーッ」と音も出して揺れている。 いよいよ(熊かも知れない)と期待と恐怖が高まる。万が一を考え鉈を「八双の構え」で構える。 その樹に近い曲がり角から、突然 中年男性の単独登山者が現れた。 早歩きで登られて来たので、気付かぬ内にその樹の近くに僕より早く接近してしまっていた。 様子を僕は正面から見ていたのだが、登山者はその揺れ方と音の方を強張った表情で動かぬまま見つめていた。 同時に「キキィ」「ホアッホアッ」と、猿の群れの声が響き始めると同時に周囲に多数の猿が木々の間に見える。猿だった。 ホッとして僕も登山者も近寄り「こんにちはー」と挨拶を交わす。登山者の方が「熊かと思いました。熊じゃなくて良かった」とおっしゃり僕は「猿でしたね」と二言三言話し、お互い「お気を付けて」とまた互いに進み始めた。 僕は猿を数え始めた。他の猿より少し大柄な多分ボス猿が群れのシンガリで僕を見続ける。約25頭はいるようだ。 猿だった安心感と、熊で無かった残念感が入り交じっていた。