River runs through it.
「心の中に流れる川」を、誰しもが持っていると思います。1本の川の方もいれば、数本の方もいるでしょう。どのようなものであれ、その川はいつまでもあの日のまま輝いて、心の中を流れ続けるのです。渓流釣り師ならなおの事。
伊豆の大見川、狩野川、三島の柿田川、神奈川の道志川、東京の奥多摩、湯沢の魚野川、登川、新潟の早出川水系…いつまでも渓流はエメラルド・グリーンにきらきらと光っています。
今日は晴れるのが分かっていたので、寝起きは遅かったのですが菓子パンをくわえながら急いで釣り道具をワゴンに放り込み、高速に乗りました。
今年の僕の休日の方針は…「休みの日には仕事をしない。」です。料理の仕事は楽しいから、考えないとついつい仕事に費やしてしまいます。それはそれで結果に繋がるので良い事もあるのですが、今年はそれを止めたのです。どうせ僕の遊びはお金が掛からないので、なるたけ遊ぼうと。 釣り場に着く。バカ長を履く。フィッシング・ベストを着る。斜面を登り、下る。渓流に立つ。しばし流れを見てポイントを考える。竿に仕掛けを結ぶ。キジを針に付ける。流れの向こうに糸を投げる。久しぶりで手が震える。上手く流せない。そうしてる内にヤマメが掛かる。なのに、久しぶりの焦りで合わせが早くて甘掛かり。空中で良い型のヤマメを落とす。悔しい。でも笑顔になる。すぐ近くまでヤマセミが飛んで来て僕をからかう。白地に青い小さなドット模様が美しい、本当に美しい渓の鳥。彼女はいつも出て来てくれる。
次のポイントじゃハヤだけ。悔しいけど釣れるのは嬉しい。友人と笑い合う。渓を歩くと汗をかく。お腹が減る。大岩に座り、ペットボトルのお茶と海苔巻きをパクつく。なんて事は無いものなのに本当美味しい。次の流れに立つ。また釣り始める。 いろんな思いが沸き立つ、居るはずの無い人の声が聞こえる。マクリーンの言う通り、渓ではいろんな記憶が甦って…。
また車に乗って数ヶ所で竿を出してから、今日は釣り仕舞い。マクリーンのモンタナでのトラウト・フィッシングと違うのは、こちらは温泉が待ってる事。透明な肌に良い温泉で汗を流せる事。400円の普段着の温泉だけど眼下に渓が流れてて、どこよりも僕は好き。大広間で簡素な夕食を済ます。また小1時間ドライブして帰宅する。好きな音楽を流しながら…。
(昔は毎週こうだったんだ…。雪がある間は毎週スノーボードで。雪が溶けたら毎週渓流で。いつしか今みたいになっちゃった…。) 、そう思い出しながら。
同じようには無理でも、今年はそんな生活を少し取り戻そうと思います。それこそが新潟に移住した理由なんだから、と。
いよいよ、明日から宜しくお願い致します(願)。