今夜の夕めし、牛丼。
料理が上手くなりたい、料理そのものが。
パスタが、とか何々が、とかに限定されずにある料理を作った時に既にあるレベルには届いているように。
野菜でも魚介でも、ある一つの食材を手にした時に頭の中で幾つかのメニューが候補に出来ていて、その中でその時の状況で作れて一番美味しいであろう料理にサッと取り掛かれるようなレベルに。
そうなるには実際に作って作って作るしかない、確かめるしかない。
この数日、海外からのお客様が多い。ロンドンから新潟にいらっしゃるとお越し下さるイギリス人のお客様やアメリカのお客様。1年に1度とか数度お会いする位だが、わざわざこんな不便な場所のバイクスに来て下さるのだから、上に書いたような事を余計に強く思う。
「職人になるなよ。俺達は料理人だぞ。あらゆる料理が上手くなれ。」と師匠に言われた言葉が脳に刷り込まれた。先の見えない道のようだが、歩む事は出来る。
東京旅行から帰ってきたオフクロが買ってきてくれた「浅草今半」の牛丼、小さな量だが980円。和牛肩ロースで作られた、歴史もあるがレベルの違う牛丼を敬意を持って食べる。仕事はこういうもので無ければいけない…と、今半に敬意を感じながら遅い夕飯を食べた。美味い。